キャッシング審査に技術革新の流れ!?
【キャッシング審査の技術革新】
ここ数年、消費者金融業界で、新たな技術革新が進行しているのはご存知ですか。
すなわち、AI(人工知能)やビッグデータを審査に取り入れていくという試みです。
既に、その先駆けとして、
みずほ銀行とソフトバンクの共同出資で、設立された、「株式会社J.Score(ジェイスコア)」や、新生銀行グループの「レイクALSA」が、営業開始しています。
例えば、J.Score(ジェイスコア)は、一見、審査に無関係と思われるようなライフスタイルに関する質問に回答させて、ビッグデータとAI技術で分析、スコア化(点数化)して、適切な金利や契約限度額が提示されるというシステムを採用しています。
その質問内容は、
・買い物の仕方デザイン重視か価格重視か素材重視か?
・ポイントカードは何枚持ってるか?
・持ってるゲーム機は何か?
・音楽は何で聞くか?
・家にあるテレビの大きさは?
といったものがあり、おおよそこれまでのキャッシング審査では、考えられないような内容になっています。
このような審査手法が開始されたのは、日本ではここ数年のことですが、この技術で先行している中国では、かなり凄いことになっているようです。
「世界的潮流に乗り遅れないためにも、このような技術はどんどん採用すべき」
という意見もあれば、
「日本では、このようなスキームは根付かない」
という人もいます。
皆さんはどう思いますか?
【中国版信用スコアが先行】
中国では、このような、個人情報を入力させて信用力をスコア化(点数化)する方法が、かなり浸透しています。
特に、アリババ集団の「ゴマ信用」の影響力は高く、ここでのスコアが、キャッシング審査のみならず、就職や結婚にまで、影響してくると言われています。
そこまでの話になると、ちょっと穏やかではありませんが、利用者は、より高い評価を得るため、より、個人情報を入力するようになり、スコアの精度もさらに上がるようになるという仕組みになっています。
はたして、日本でここまでのことになってゆくかどうかはわかりませんが、日本でも、大手や銀行を中心に、このような技術革新がスタートしているのは事実です。
【コンピューター審査ならぬカンピューター審査!?】
かたや、中小消費者金融に関しては、いまのところ、このような技術革新の影響は全くありません。
それもそのはずで、このような技術革新は、大手ですら、試みの段階であり、仮に、大手で浸透するようになっても、中小消費者金融にまで浸透してくるには、まだまだかなりの年月を要することになると思います。
また、中小消費者金融の審査手法は、既に、独自の発展を遂げています。
それは、二次審査による「ヒアリング」です。
中小消費者金融は、大手消費者金融と違い、キャッシング審査をする際には、「ヒアリング」というひと手間を加えている会社がほとんどです。
「ヒアリング」とは、属性審査と指定信用情報機関の返済能力調査を中心に行う、一次審査に通過した方に対して、申込みフォームに入力した内容だけでは、うかがいしれない生活状況の詳細確認を、直接、対話形式で確認するものです。
この対話の中で、申込者が回答したことや、審査担当者が感じた雰囲気を、AIやビッグデータではなく、経験に基づく、「カンピューター」で分析して審査を行っているというのが実態です。
これは、決して揶揄しているわけではなく、経験に基づく、「直感」は、下手なスコアより精度が高くなることは往々にしてあります。
このような文化が根付いている中小消費者金融業界に、このような技術革新が、どのような影響を与えてゆくのか、今後も注視してゆきたいと思います。