取引実績が重視される理由
【審査では取引実績が重視される】
中小消費者金融の審査では、「取引実績」が非常に重視されます。
「取引実績」とは、遅れなく返済を続けてきた実績のことで、当然、長ければ長いほど信用は高くなります。
そしてこの「取引実績」が良ければ、属性が悪くても、最終的には、高い限度額を与えられることも珍しくありません。
では、どうして消費者金融の審査では、ここまで「取引実績」が重視されるのでしょうか。
少し掘り下げて解説してみましょう。
【増額で適正な限度額に引き上げるのがセオリー】
「取引実績」が重視されるのは、簡単に言えば、消費者金融にとってのリスク分散のためです。
消費者金融は、会社によって差こそありますが、多くの場合、初回融資額は10万円~15万円ほどの、低めに抑えられています。
そして、この限度額は、本来、その顧客に適正と判断された金額よりも低めに決められていることがほとんどです。
もちろん、与信審査をしたうえで、与えられた限度額ですが、所詮は「机上の判断」なので、本当に返済を継続していけるかどうかは、実績を見ないことにはわからないからです。
【取引1年目でハイリスク債権は淘汰される!】
これは、まどろっこしい方法にも見えますが、理にかなっています。
現在、消費者金融には、年収の3分の1を超える貸出しを原則、禁止する、「総量規制」が導入されていますが、例え、総量規制の範囲内であっても、破綻してしまう人は少なからずいるからです。
また、支払能力は充分あっても、返済意欲が著しく低い人もいます。
そして、このような人の多くは、最初の1年目の取引で淘汰されていきます。
このため少なくとも返済を半年から1年は続けてもらわないと、本来の「適正な限度額」は与えることができないというわけです。
【耐久力の低い若者が目立つ!】
また、最近は、ひと昔前に比べて、若者の返済意欲が低下しているようにも感じられます。
「耐久力が低い」という言い方をした方が適当かもしれません。
実際、当サイトや姉妹サイトに寄せられる相談の中にも、「債務整理をしたい」という内容のものもありますが、若い世代ほど、わずかの借金で、匙を投げてしまう傾向があるように感じられます。
債務整理したいと言っている負債額が、100万円にも満たない少額であることも決して珍しくありません。
もちろん、各個人によっても事情が異なりますし、現代の若者ならではの問題(「非正規雇用の問題」、「奨学金の問題」、「高額なスマホ料金の問題」など)も抱えているので、一概にそのように断定することは酷かもしれませんが、ひと昔前よりも若者の耐久力が低くなっていることは間違いなさそうです。
このような世相の中、中小消費者金融の「取引実績」重視の傾向は、当面続くと思われます。