家族に内緒で自己破産できますか?
「家族に内緒のまま自己破産をすることは出来ますか?」
金融サイトを運営していると、よくこのような質問を受けることがあります。
もちろん、各家庭の事情や、自分名義の不動産を持っているかいないかでも答えは変わってきますが、実際のところはどうなんでしょうか。
今回、詳しく解説してみました。
2019年3月20日追記
最近、ネット上で、「破産者マップ」なるサイトが出現し、物議を醸しだしました。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
(参考記事:官報を利用したキャッシング審査とは)
この記事のポイント
【同時廃止と管財人事件】
最初に結論を言ってしまえば、破産事件が、「同時廃止」になるのであれば、家族にバレることはほぼありませんが、「管財人事件」になるようであれば、内緒にしておくことは難しいかもしれません。
この両者の違いは、次のようなものです。
※同時廃止とは
借金の整理手段として、「自己破産」を選択する人は、換価出来るような、目ぼしい財産のない人がほとんどだと思います。
そのような場合、破産管財人を選任しないで破産手続きを廃止する「同時廃止」ということになります。
同時廃止となった場合、これで自己破産の手続きは終結されるので、ほぼほぼ家族にバレることはないと思います。
実際、内緒で手続きを取っている人は、数多くいます。
※管財人事件とは
債務者が、不動産など換価出来る「財産」を持っていた場合は、「管財人事件」となります。
管財人事件になって、不動産を処分するようなことになれば、さすがに家族に内緒にすることは不可能でしょう。
もし、マイホームを手放したくないのであれば、自己破産ではなく、「個人再生」の住宅資金特別条項を利用するなどが必要です。
【官報と信用情報】
自己破産をすると、「官報」に掲載され、信用情報機関に自己破産したことが登録されることになります。
ここからバレてしまうことはないのでしょうか。
※官報とは
「官報」とは、国が発行する新聞のようなもので、法令の規定に基づく各種公告や、破産・相続等の裁判内容が掲載されています。
自己破産をすると、この「官報」に掲載されることになります。
官報の掲載に期限はなく、最近では、インターネットでも官報情報が検索できるサービスも開始されているので、その気になって調査しようとすれば、調べることは可能です。
但し、一般の方が、わざわざ官報をチェックすることはまずないので、バレる可能性は非常に低いと思います。
2019年3月20日追記
最近、ネット上で、「破産者マップ」なるサイトが出現し、物議を醸しだしました。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
(参考記事:官報を利用したキャッシング審査とは)
※信用情報機関
カードローン会社が利用している指定信用情報機関は以下2種類あって、自己破産した場合の登録についても若干、異なっています。
・・自己破産の申立てをすると、「破産申立」という参考情報が、情報発生から5年間登録されます。
●㈱シー・アイ・シー(CIC)
・・免責許可決定が確認できれば、完済報告と共に、「法的免責」というコメントが登録されます。尚、完済情報は5年で抹消されます。
この信用情報については、本人であれば情報開示を求めることは可能ですが、いくら家族であっても、勝手に開示することは出来ないので、ここからバレる可能性も少ないと思います。
【弁護士、司法書士に見通しを確認しておく】
このように実際は、自己破産をしても、よほど不用意でなければ、家族にバレることはほとんどないでしょう。
逆に、家族が自己破産していても自分が気づいていないだけなんてこともあるかもしれませんね。
但し、「管財人事件」となってしまう可能性もあるので、見通しを、弁護士、司法書士によく確認しておいた方がよいでしょう。