実際見たこと、聞いたこと
かつて私は消費者金融での勤務経験がありますが、今回は、その現場で、実際、見たり、聞いたりしたことを、思いつくまま書いてみました。
(part2もご覧ください。)
【金は苦労して貸すものだ!】
これは、私が勤務していた会社の店長の言葉です。
「お金を貸すときに苦労して情報収集しておけば、取り立ての際に困ることは少ない!」
お金を借りるときには、へりくだった態度だったお客さんが、いざ、返済が詰まりだすと、開き直って、横柄な態度に出てくることは珍しくありません。
そうなると、情報収集することは非常に困難です。
お金を貸すときにこそ、面倒でも、必要な情報を聞き出しておくべきで、取り立てのときに慌てているようでは、遅いという意味です。
お金を貸すときから、既に「顧客管理」は始まっています。
安易な審査で融資をすれば、取り立ての時に苦労するのは必然です。
【干支、星座の確認をしろ!】
かつての消費者金融では、自分がいわゆる「ブラック状態」で借入れできない場合など、他人になりすまして、借入れをする「なりすまし詐欺」は、結構、見られました。
そんな、なりすましを防止するために、自然発生したのが、「干支」や「星座」を確認することです。
当時、私が勤務していた消費者金融の事務所には、西暦、和暦、干支、星座などの「早見表」が各自の机に貼ってあったものです。
確かに、咄嗟に、「干支」や「星座」は出てこないものです。
この方法、いまでも、一部の消費者金融では続けているようです。
【ある延滞顧客の暴言!?】
「今日は日曜日ですよ。休日くらい電話してこないでくださいよ~」
平日、いくら電話をしてもつかまらなかった、延滞顧客が、初めてつかまった際に、思わず言った言葉。
当時の消費者金融は、土日休みの会社が多かったので、日曜日に取り立ての電話がかかってくるとは思っていなかったようです。
よくよく考えると、滅茶苦茶な言いぐさですが、予想外の言葉に、つい面喰ってしまった覚えがあります。
【プロの集金の下準備】
延滞顧客と連絡が途絶えたからといって、直ぐに訪問しようとするのは素人の考えです。
実際、やみくもに訪問に出向いても、本人に会える確立はかなり低く、しっかり情報収集してから、狙いを定めて、訪問するのがプロの仕事です
そんな時に役立つのは「ゼンリン地図」です。
「ゼンリン地図」は、個人宅の情報まで記載されている住宅地図で、当時は、どこの金融会社にも置いてありました。
この「ゼンリン地図」と「104電話番号情報」で、顧客宅の「向こう三件両隣」の電話番号を調べて、電話して、居住確認をしたり、何時ごろ居るのかを調査します。
この方法は、ご近所付き合いが薄くなったいまどきは、あまり有効ではありませんが、昔は、こちらが聞いてもいないような情報まで、ご近所が教えてくれることもありました。
なんて名乗って、電話してたのかって?
そんなの、「宅急便」や「郵便局」とか言っておけば、昔は疑う人はいませんでした。
【金融屋の品格!?】
「金融屋」は、スーツで、パリッと決めていなければならない。
かつては、そんなポリシーを持っていた人が多かったように思います。
路線はともかく、オシャレな人が多かったと思います。
「白い靴下」なんて履いたら、罰金もんでしたね。
なので、ヨレヨレのだらしない恰好をしている人は、よく注意されていました。
「お前は、いまから大根でも掘りにいくのか!」って。
1件の返信
[…] 柴田なにぶん、ひと昔前のことではありますが、中小消費者金融の「ノリ」というか、「エッセンス」は感じていただけると思います。 (part1もご覧ください。) […]