借入れは何件まで大丈夫なのか
消費者金融の借入れは何件まで大丈夫かという問題は、これまでネット上でも「3件まで」とか「5件まで」とか様々に言われてきましたが、実のところはどうなんでしょうか。
ここでは借入れ件数の限界や、複数の消費者金融を利用する際の注意点についてまとめてみました。
この記事のポイント
【借入れ件数に制限はあるのか】
消費者金融からの借入れ金額は、総量規制が導入されたことによって、法律上、「年収の3分の1」までに制限されていますが、借入れ件数に関しては、実は法律上の制限はありません。
極端な話、法律的には、借入れ件数が既に10件あろうが、20件あろうが、返済能力を超えない範囲であれば大丈夫ということなのです。
また件数については、消費金融業界でも統一された基準(ルール)はありません。
このためネット上でよく言われている「〇件まで」という件数制限は、法律上の制限ではなく各消費金融の自主ルールによる制限ということになります。
そして自主ルールである以上、各消費者金融によってルールはそれぞれ違うというのが実際のところです。
【大手と中小では件数の基準が異なる】
先ほどお話したように、借入れ件数に関しては、法律上の制限もなければ、業界の統一ルールもなく、各消費者金融の自主ルールによるというのは事実ですが、大まかな傾向というものはあります。
例えば、大手と中堅消費者金融では明らかに傾向は異なっています。
●大手消費者金融の件数制限
大手消費者金融の件数制限は、「他社借入れ3件までは審査を継続してもOK」というのがおおよその慣例になっています。
これはかつて(1997年2月)、武富士、アコム、プロミス、アイフル、三洋信販、レイクなど当時の大手消費者金融で結成していた「消費者金融連絡会」という組織で「3件規制」という自主規制を採用していたことに由来します。
その後、消費者金融連絡会の業務は日本貸金業協会に引き継がれ、現在、そのような組織は存在しませんし、「3件規制」というルール自体もありません。
しかし常識的な借入れ件数に対する目安として、この「3件規制」の考え方は踏襲されています。
●中小消費者金融の件数制限
対して中小消費者金融は具体的な件数制限を設けている会社はほとんどありません。
各社の元従業員にインタビューしても、回答はバラバラです。
(同じ会社の元従業員でも人によって回答がバラバラなので、かなり曖昧なもののようです。)
そのためあくまで目安になりますが、平均すると他社借入れはおおよそ「5件まで」というのが妥当なラインでしょう。
(審査担当の感覚として、既に他社からの借入れが6件もあり、今回の申込みが7社目になるのは流石に多いというのは、大体各社共通していました。)
※但し、この件数制限にカウントされるのは、あくまで他の消費者金融業者からの借入れだけで、クレジットカードなどでの買い物のローン(ショッピングローン)は関係ありません。
【件数が多くても借りれる人、少なくても借入れできない人】
中小消費者金融が審査対象とする他社借入れ件数は、先ほどお話したように、おおよそ5件までですが、件数が5件以下であっても借入れできない人もいれば、件数が5件以上あっても借入れできてしまう人もいます。
実は件数よりももっと注視されるのが、短期間での件数増加がないかということです。
例えば、同じ他社借入れ件数5件の人でも借入れが発生した時期によって審査結果は全く異なったものになります。
具体的には次のようなイメージです。
⇒信用は低い(不安定)
②借入れ件数は5件だが3年以上件数が増加した形跡がない
⇒信用は高い(安定している)
このようなケースだと、おのずと、①は否決の可能性が高く、②は可決の可能性が高くなります。
また短期間で件数が増加していると判断される目安も、業界に明確な基準はないので、これも感覚的な話になりますが、業務経験者へのインタビューではおおよそ、「1年間に3件以内」というところでした。
【無計画な件数増加にはご用心】
最後に少し啓発じみたことを書くと、適切な利用件数は、本来、一律のものではなく、各個人の状況によって異なるはずです。
例え、6件以内であっても、あまり件数を増やすと、合計返済額も増えてしまうので、場合によっては自身の返済能力を超えてしまうこともあり得ます。
出来る限り件数を増やさない方が良いので、資金が必要な際は極力、利用業者からの増額で賄うことをおすすめします。
(参考記事:第5章:増額審査の攻略法)