第6章:中小消費者金融の返済について
消費者金融から借入れした後はもちろん返済をしてゆくことになりますが、返済方法にも「お得な方法」と「損な方法」があります。
また返済は、今後の増額審査の評価にも影響してくる大切なポイントでもあります。
この章で返済のコツをしっかりおさえて、よりお得に、且つ評価を下げない返済をしていきましょう。
遅れないようにすることはもちろんですが、ポイントは、
・出来る限り手数料がかからない方法で返済する。
・評価を下げない方法で返済する。
ということになります。
この記事のポイント
【返済の遅れは原則NG】
まず話しておきたいのは、中小消費者金融への返済は原則、遅れてはいけないということです。
ついつい、忙しかったり、忘れていたりで、1日、2日くらい遅れてしまうといったことは有り得ることです。
しかし中小消費者金融と良い取引を継続したいのであれば、「安易な返済遅れは絶対にNG」ということは覚えておいた方が良いでしょう。
中小消費者金融は大手と違い、あまりお客の属性は良くありません。
わかりやすく言えば、中小消費者金融とは「大手で借入れ出来なくなった人が申込みをするところ」なのです。
そのようなお客を相手にお金を貸すわけなので、おのずと支払不能など「不良債権」となる確率は大手のそれよりも高くなります。
このため中小消費者金融は大手に比べて、返済遅れということには、どうしてもナーバスになる傾向があるのです。
大手であれば1ヶ月以内の返済遅れであれば、わりと簡単に待ってもらえますが、中小消費者金融の場合は1週間でさえ簡単には待ってくれません。
待ってもらうには、あれこれ事情を説明し、イヤミの一つも言われるなど一苦労です。
大手で取引していた時の、「返済遅れに対する感覚」をそのまま中小消費者金融に持ち込んでも通用しないので注意して下さい。
返済出来ないからといって無視して放置しておくのは一番信用を損ないます。
【分割金より多めに入金するのがセオリー】
当たり前のことですが、支払い利息のことを考えれば、分割払いよりも一括で返済した方が断然お得です。
分割払いの場合、最低分割金は各中小消費者金融よっても異なりますが、例えば利用金額が10万円であれば、3,000円~5,000円程度です。
もし分割金を地道に返済してゆくのであれば、この金額だと一度も枠内で出金しなくても、おおよそ3年はかかります。
また、利用金額が50万円を超えるような時は、一度も出金しなくても完済まで5年ほどかかるように設定されています。
この場合にかかる利息金額は大体、以下の通りです。
10万円・・約26,300円(4,000円×32回)
50万円・・約252,000円(13,000円×58回)
これが一括の場合の利息金額は、
10万円・・約1479円
50万円・・約7,397円
とその差は歴然です。
もし一括返済が出来なくても、出来る限り多めに返済すればするほど最終的に支払う利息合計は少なくてすみます。
【様々な返済手段のどれがお得?】
返済手段も様々あります。
代表的なもので、
・店頭窓口に持参
・銀行振込みを利用
・専用(提携)ATMを利用
・口座引き落とし
などが考えられますが、中小消費者金融の場合、口座引き落としに対応している会社はほとんどありません。
それ以外の方法は次のようなメリット・デメリットがあるので、皆さんそれぞれの生活環境や利用する消費者金融の状況によって判断して下さい。
①店頭窓口に持参
生活圏内に利用している中小消費者金融の店舗があればこの方法が一番確実に手数料はかかりません。
しかし中には、店頭窓口での返済を受付けしていない会社もあるので要注意です。
また、わざわざ交通費を出してまで店頭に行くくらいなら銀行振込みなどの手数料と変わらない場合もあります。
②専用(提携)ATMを利用
利用している中小消費者金融が入出金可能な「自社専用のATM」を完備しているのであればそこから返済すれば手数料はかかりません。
但し、これも生活圏内にあればの話です。
また、自社専用ATMはなくても、セブン銀行ATMなどで入出金可能としている会社もありますが、このような「提携ATM」で入出金する場合は手数料がかかるので、あまり多用すると手数料もバカになりません。
③銀行振込みを利用
生活圏内に店頭もATMもない場合は指定銀行口座に振込みで返済することになります。
しかしこの方法はどうしても銀行への振込み手数料がお客負担でかかります。
少しでも手数料を安くするには以下のような方法もあります。
・相手の指定銀行と同じ銀行から入金する。
・銀行の窓口は利用せずATMを利用する。
【遅れるよりも利息分だけでも入金】
分割金を返済する資金がどうしても不足している場合に、一部でも返済すべきか、待ってもらって満額返済すべきかどうすべきでしょうか。
結論から言えば、分割金に足らなくとも利息分以上であれば一部でも入金しておくべきです。
その方が信用情報に傷がつかないからです。
現在、多くの中小消費者金融が加盟している指定信用情報機関の㈱日本信用情報機構(JICC)では、過去12回分の返済遅れの状態が日数で登録されています。
そのため1日でも延滞すれば、その経歴がそこから12ヶ月間は登録されたままになります。
(参考記事:JICCでは他社借入れ情報はどのように表示されているのか)
しかし、利息分以上の入金があった場合には、ほとんどの中小消費者金融で次回返済予定日が更新されるので遅れ扱いにはならないのです。
【完済後もしばらくは契約続行しておく】
消費者金融の契約形態には、
・・定められた限度枠内で入出金が可能な契約
②通常の分割払い契約「証書貸付け」
・・融資を受けた後は返済のみの契約
の2種類があります。
そして皆さんが中小消費者金融を利用する時は、多くの場合、リボルビング契約になると思いますが、リボルビング契約の場合には2種類の完済方法があります。
・・残高0円になっても契約は続行しているのでいつでも限度枠内で引き出しが可能な状態。
②契約解除
・・完全に契約解除する。
さて、めでたく完済した場合には、ほとんどの中小消費者金融では、この2種類の完済の内、どちらにするかをお客に選ばせてくれますが、やっとの思いで完済した時は、「もう余計な借入れは増やさないでおこう」と思っている人が大半なので、自ら契約解除を選んでしまう人が多いのが現状です。
(取引中に延滞が目立ったりした場合には、選択の余地もなく強制的に契約解除となることもあります。)
しかしこれはちょっともったいないかもしれません。
一度契約解除をしてしまうと、再度利用をしたいと思った時には、もう一度申込みをして再審査を受けなければならず、そこで確実に審査に通る保証はないからです。
もちろん、包括残高0円でも消費者金融は信用情報を照会するなどして定期的に見直しをかけているので、負債が増えていたり、他社の返済が遅れていることが判明したら、出金停止措置を取られることもありますが、包括残高0円の方が、解約解除してしまうよりも、次回借入れ出来る可能性は格段に高くなっています。
※契約解除すれば信用情報に借入れがあった証跡は完済後5年で抹消されます。
しかし包括残高0円の状態であれば、借入れしていた情報はずっと残ったままになるのでそのことだけは注意して下さい。