自己破産への融資が増えてしまった理由
※注意:この記事は自己破産者や債務整理経験者への借入れを助長するものではありません。
【自己破産、債務整理経験者への融資が増加中!?】
いまどきの中小消費者金融には、「自己破産や債務整理をした方」でも審査対象としている会社が多数存在します。
否、むしろ、これらの客層に対して、積極的に融資をしている会社がほとんどと言っても過言ではありません。
では、なぜ、いわゆる「ブラック」と呼ばれる、これらの人達に融資が出来るのでしょうか?
今回は、そのカラクリをざっくりと解説してみようと思います。
自己破産者への融資は、もはや「裏技的融資方法」ではなく、「主流(メイン)の融資方法」になっています。
2019年3月20日追記
近年、ネット上で、「破産者マップ」なるサイトが出現し、物議を醸しだしました。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
(参考記事:官報を利用したキャッシング審査とは)
【きっかけは総量規制!?】
2010年6月に完全施行された、改正貸金業法では、原則、年収の3分の1を超える貸付を禁止する、「総量規制」が導入され、中小消費者金融は、これまでのように「多重債務者」に貸出しが出来なくなってしまいました。
そんな中、
「多重債務者に貸すより、一度、自己破産や債務整理で借金がクリアされた人に貸す方が、むしろ安全なんじゃね?」
という、まさにコペルニクス的名案(苦肉の策とも言いますが・・)からこの融資は始まったと言われています。
【裏技から一気に主流(メイン)へ】
このような融資方法は、昔から、一部の業者の間では、裏技的に、あるにはありましたが、決して主流(メイン)の方法ではありませんでした。
消費者金融業界には、「自己破産者=悪」という考えが、染みついていたからです。
要するに、自己破産者は、「簡単に返済をあきらめてしまった人」だから信用できないということです。
むしろ、多重債務者の方が、「どんなに苦しくても頑張って返済を続けている人」ということで信用に値すると考えられていました。
ところが、いざ、自己破産者への融資を開始してみたら、融資した後も総量規制のおかげで、顧客の借金が必要以上に増えることもなく、不良債権の発生も抑えられるという効果もあり、大正解の融資方法だったのです。
まさに「ひょうたんから駒」ということで、この融資方法は各中小消費者金融に一気に広まりました。
そんなわけで、この方法は、いまでは、どこの中小消費者金融でも、押しも押されぬ主流(メイン)の融資方法になったというわけです。
【自己破産者への融資は公言できない事情がある!?】
このように中小消費者金融が、積極的に自己破産や債務整理をした方への融資を行っているのであれば、なぜ、そのことを自ら公表していないのか疑問に思う方もいるかもしれません。
そこには、「広告規制」の問題がからみます。
消費者金融業は広告宣伝にあたり、「借入れが容易であることを過度に強調して、借入意欲をそそるような表現」や「債務整理を行った者や破産免責を受けた者にも容易に貸付を行う旨の表現」は、自主規制で禁止されています。
例えば、
・大丈夫、なんとかします
・ブラックでもok
・自己破産、債務整理でも積極融資
・リセットOK
などの表現は間違いなくoutです。
そのため、これまで中小消費者金融業界はそのような発信を、一部の「比較サイト」や「金融ブログ」などに頼ってきました。
しかし、最近は、消費者庁が、広告収入目的の「アフィリエイトサイト」の広告の監督責任は広告主にあると明言したこともあり、これまで、アフィリエイトサイトに黙認状態だった、中小消費者金融も、各サイトの表現が適正かどうかチェックせざるを得なくなってきています。
今後は、だんだんと、「比較サイト」や「金融ブログ」などでも、「自己破産や債務整理をしていても大丈夫」といった露骨な表現はしにくくなっていくと思われます。
(参考記事:比較サイトの広告が問題になってきている!?)